SIMロック解除に震える日本メーカーに活路はないのか

  • 2010/07/10(土) 22:56:35

NTTドコモは2011年4月より出荷する全ての機種がSIMロック解除を可能とするようにする方針を明らかにしました。
これに誰より反対しているのは日本の携帯機種メーカーのようですが、ただでさえ国際市場の参入に乗り遅れている日本が、未だガラパゴス環境に依存するのかという疑問が湧いてきます。

■総務省とドコモは乗り気、ソフトバンクとメーカーは反対
まず、この件を一番積極的に推し進めているのは、総務省です。

 総務省が6月30日、5月26日に提示した「SIMロック解除に関するガイドライン(案)」に対する意見募集の結果を踏まえ、正式な「SIMロック解除に関するガイドライン」を策定し、公表した。ガイドライン案からの変更はなく、「SIMロックの解除を強制するものではないが、事業者は、SIMロック解除について、本ガイドラインに沿って、利用者の立場に立った取組に努めるものとする」と、事業者の主体性に委ねる形とした。

(以下略)

総務省「SIMロック解除に関するガイドライン」を公表(ITmedia)


ただ上記にもある通り「事業者の主体性に委ねる」という形であって、あくまで強制はしないということでしたが、ここでさらに積極的な立場を表明したのがNTTドコモです。

 NTTドコモの山田隆持社長は6日、日本経済新聞の取材に応じ、2011年4月以降に出荷するすべての携帯端末について、特定の通信会社でしか使えないように制限している「SIMロック」を解除できるようにすると明らかにした。総務省は同制限を解除する指針を示しており、最大手のドコモがいち早く解除に乗り出すことで通信各社も対応を迫られそうだ。

(以下略)

ドコモSIMロック解除へ 11年4月から全機種で(日本経済新聞電子版)


ただ、それに対して一番反対しているように見受けられるのが、国内の携帯機種メーカのようです。

 もうひとつの懸念が、今年後半から来年に国内メーカーが勝負をかけようとしているスマートフォン戦略に影響を及ぼしかねない点だ。「日本メーカーは海外メーカーのスマートフォンと違いを出すために、通信事業者や日本独自のサービスを搭載することに全力を挙げていた。しかし、SIMロック解除が前提となると、通信事業者の独自サービスは載せづらくなり、海外メーカーと似たような端末にしか作れなくなってしまう」(メーカー関係者)

(中略)

 SIMロック解除は、通信事業者の意向に従うだけに見える国内メーカーを自立させ、世界進出を後押しするという意義が強調されるが、メーカーは本音ではありがた迷惑な話と受け止めている。海外進出の契機どころか、さらに企業体力を奪う可能性もある。


ドコモ「SIMロック解除」の衝撃(テクノロジー)
(日経新聞電子版)


私にとって一番気になるのが、この国内メーカーの反対です。

■失楽園を強要されたメーカーに生き残る道は無し?
上記日経の記事から考えるに、国内メーカーは
?海外メーカーと同じ土俵で勝負したとき、勝てる見込みはない
?勝てる見込みはガラパゴス環境での優位性のみ
という状況での勝負を考えていたのだと思われます。

そもそもの話、SIMロックは2007年から総務省が原則解除として推し進めていた話で、これは遅かれ早かれ実現されるだろうということは予想がついていたはずです。
おそらく、しばらくはメーカー共同で反対表明をしておき、なるべくSIMロック解除への開発の時間稼ぎをしておく腹積もりだったのでしょうが、今回、そうは問屋が卸しませんでした。

今回はiPhoneが日本に来たことによって、ソフトバンクに顧客を奪われたドコモが戦術としてSIMロック解除を推し進める下りとなりました。
要はiPhoneという黒船によって、各メーカーがあたふたする状況になったという良く見られる構図が未だ続いているわけです。

もし、このガラパゴス的な環境が崩されることで商売をやっていけないというのであれば、それこそユネスコにでもお願いして、世界遺産登録でもしたらいかがでしょうか。

iPhone4の不良問題はこれからどう発展するか?

  • 2010/07/04(日) 13:58:37

iPhone4の発売から約2週間程経ちました。
その間、一向に消えないのはiPhone4に対する不具合問題の話題。

今回の件は集団訴訟まで発展し、アップルが謝罪をする自体まで至っていますが、さて、これがアップルのブランドに傷をつける自体となるでしょうか?

■アップルによる謝罪と、訴訟
まず、問題となっているのがiPhoneのアンテナ部を手で覆ってしまうと受信感度が極端におちてしまうという問題です。
しかも、そのアンテナが本体の左下にあるわけですから、持ち方によっては普通に使っていても受信感度が落ちてしまうわけです。

最初はこの問題ににアップル側も仕様として応じず、強行的な立場を崩さなかったのですが、これに腹を据えかねたユーザー達が訴訟を起こす事態へと至りました。

 発売されてから1週間もたたないうちに「iPhone 4」に対する訴訟が発生した。

 訴訟は米国時間6月30日、米国メリーランド地区地方裁判所においてKevin McCaffrey氏とLinda Wrinn氏らを原告として起こされ、AppleとAT&Tは正常動作しないアンテナを搭載する電話を故意に販売したと主張している。「iPhone」を製造するAppleと米国におけるその独占的通信事業者パートナーであるAT&Tは、一般的な過失、設計と製造と組み立てにおける欠陥、保証違反、欺瞞的取引行為、意図的および過失による不実表示、隠ぺい詐欺など、さまざまな違反行為で訴えられている。


(以下略)

「iPhone 4」アンテナ問題、集団訴訟に発展(CNET JAPAN)


これはさすがに不味いと思ったのか、今回の問題についてアップル側は調査を行い、ソフトウェア側に問題があるとの発表を行い、謝罪を行ないました。

 アップルは、アンテナの信号強度に関する計算式に誤りがあり、2007年に発売した初代アイフォーンからこれが影響していたことを認めた。ただ、アイフォーン4の問題に関して同端末のアンテナデザインに問題があるとの指摘に対しては、直接の言及はなかった。

 同社は利用者に宛てた書簡で「調査の結果、受信信号の強さを示すバーの数を算出する計算式が完全に誤ったものであることが判明し、アップル社としても驚いている」とした。


(一部抜粋)

米アップル、iPhone4のアンテナ問題で利用者に謝罪(プレジデントロイター)


上記にあるとおり、バーの表示の問題が解消されるだけで、アンテナ部を握って

■品質問題が売上に結びつくか?
さて、今回は訴訟問題まで発展しました。ここで、これがアップルのブランドに傷をつけるか、との疑問が湧いてきます。
しかし、私はそれはないと思っています。なぜならば、この程度でブランドが傷つくようならば、アップルはもう既に潰れているからです。

思い起こせば、iPodの頃には、電池が爆発したり火を吹いたりという問題が起こりました。
また、iPhoneで言えば、確かiPhone3Gでは、発売したてはいいものの、Windowsでアクチベーションが出来ないという事件が起こりましたし、3GSの頃には充電器のリコールが話題になりました。最近出たばかりのiPadも、Wi-Fi接続にソフトウェア側のバグがあり、繋がりにくいという問題がありました。

極端な話、今回のiPhone4の不具合も、いつもの話であり、特に驚くべきことではありません。
さすがに「アップル製品の初期版を買う消費者が悪い」などと言う気は毛頭ありませんが、これだけの不具合の歴史が積み重なっても、アップルが繁栄を続けていることを考えると、おそらくちょっとした不具合では、消費者は気にしないのでしょう。

もしこれらの不具合が経営に影響をもたらすとしたら、アップル製品が今の輝きを失った時でしょう。
問題というのは、それを覆い隠すくらいの勢いがあるときには表に出てきませんが、衰えが出てくると一気に噴出するものです。

iPhone4の差し止め請求が通ったら話は別ですが、おそらくは棘下され、今回の不良の件も、数カ月で何事もなかったように忘れ去られているのではないかと私は思います。

iPhone4のFaceTimeはテレビ電話普及の起爆剤となるか?

  • 2010/06/13(日) 00:00:01

米国時間の6月7日より行われたWWDC 2010。そこで発表されたのが、新型iPhoneである『iPhone4』です。

新デザインや新機能などが発表されましたが、ここで注目したいのが、iPhone4に搭載予定の新機能『FaceTime』です。
これは、iPhoneの表面と裏面に搭載されたカメラを使って、テレビ電話によって相手とコミュニケーションをすることのできる機能です。

■期待の機能FaceTime
まず、実際に使用すると、どのような使用感なのか、下記の動画を見てください。



電話機能と一体化しており、通常の通話機能よりコミュニケーションが取りやすそうであります。

また、GIZMODOなどでは、他のiPhoneアプリとの連携によるビジネスの可能性について言及しています。

FaceTimeのプロトコルは、h.264、AAC、SIP、STUN、TURN、ICE、RTP、SRTPなどなどのオープンな規格がベースになっているため、これを活用して、他社がオリジナルなサービスを展開していく道も開かれているみたいですよ。まだどんなことが可能になるのか、具体的なアイディアは何も発表されてないですけど、いろいろといい感じのサービスが立ち上がったらいいですよね。

(一部抜粋)

iPhone 4のビデオ通話「FaceTime」について押さえておくべき4ポイント(Gigazine)


iPhoneではGPS機能からGoogleMapsへとつながり、そこから食べログ
で飲食店を探すことが出来たりと、ソフトウェア同士の良いつながりが形成されています。
それと同じようなつながりが、このFaceTimeで起こる可能性は確かに考えられます。

■問題は、利用シーンが広まるか
まず、FaceTimeが3G回線を使える見通しが立っているかという疑問があります。これに関しては、

 また同氏は、とりわけ大衆市場にアピールする機能として、Wi-Fiを使ったテレビ電話機能「FaceTime」を挙げている。Appleのスティーブ・ジョブズCEOによると、この機能を3Gでも提供すべく、同社は目下キャリア各社と相談中という。

(一部抜粋)

「iPhone 4」の評価は? アナリストはテレビ電話に注目(ITmedia)


とあり、現在のところ3G回線で使うことのできる見通しは立っていないようです。

それもそのはず。例えばソフトバンクの話になりますが既存のソフトバンクのテレビ電話サービスに「TVコール」というものがあります。これは、30秒間につき37.8円で、『パケットし放題』の定額サービスからも外れています。
ここでいくらiPhoneだからといって、帯域に余裕のないソフトバンクがテレビ電話機能を使い放題にするとは考えられません。

また、今のところFaceTimeが使えるのはiPhone4のみというのも問題です。
例えば、iPhone3GがiOSのアップデートでFaceTimeを使えるようになったり、他のテレビ電話サービスと互換性があったりすれば、通信できる相手が増え、使える機会も増えるでしょうが、今のところはiPhone4同士しか使えません。

まず、FaceTimeが使えるようになってくるのは、iPhone4の次世代機が出てくるころだと考えられます。
そのころであれば、現在のiPhoneユーザーの多くがFaceTimeのついているiPhoneに乗り換えているでしょうし、それからしばらく経てば、100Mbpsでの通信が実現可能といわれている3.9Gの通信方式のサービスも開始され、Wi-Fi以外でもFaceTimeが使えるようになってくるでしょう。

その頃になれば、通話は全てテレビ電話にて行われる時代というのが来ているかもしれませんね。

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