クラウドを理解するのに大事な5つのキーワードをまとめてみる

  • 2010/07/17(土) 22:35:44

最近ITの話題となると、猫も杓子もクラウドの話ばかりです。
SEをやっている私が勤めている会社でも、クラウド事業への参入を考えているらしく、色々と情報に触れる機会も増えてきたので、集めた情報をまとめてみようと思います。

クラウドを理解するのに重要なキーワードは5つ。
Saas・PaaS・IaaSのXaaS系と、パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いです。

■SaasとPaaSとIaaS
クラウドサービスは近年ではSaas・PaaS・IaaSの3つの用語で分類されています。これらはまとめてXaaSと呼ばれています。

・Saas(Software as a Service)
ネットワーク経由でソフトウェアを提供するサービスです。
一昔前だと、ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)呼ばれているものがありましたが、これとSaasは、ほとんど違いはないといって良いと思われます。

ソフトウェアというと、ショップで購入し、クライアントにインストールして使うものでしたが、Saasはサーバーから提供されたサービスをブラウザ経由で使うものです。
GoogleMapsやGoogleDocsなどもSaasの代表として上げて良いのではないでしょうか。

・PaaS(Platform as a Service)
Saasでは決まりきったアプリケーションしか提供されず、カスタマイズ性が低いというデメリットがありますが、PaaSでは利用者が一からソフトウェアを開発できるというメリットがあります。
つまり、PaaS事業者は、間にソフトウェア開発会社を挟んで、サービスの提供を行うわけですね。

ただ、あくまでもソフトウェアレベルの開発しかできず、ミドルウェアやOSは、PaaS事業者の提供される環境に縛られることになります。
例えばGoogleが提供してるGoogleAppsEngineでは、JavaかPythonというプログラミング言語でしか開発できませんし、データベース機能もBigTabelというGoogle独自のデータストアしか使うことができません。
もし、PaaS事業者が潰れたりしたら、いままで構築したソフトウェア資産がおじゃんになってしまう危険性もあります。

PassはGoogleAppsEngineの他、Amazon Web ServicesやWindows Azureなどが有名です。

・IaaS(Infrastructure as a Service)

PaaSではプログラム言語レベルでの開発ができず、開発側はサービスの提供に縛られることになりますが、IaaSではさらに高い自由度が提供されます。
IaaS事業者から提供されるのはハードウェアレベルなので、OS、ミドルウェア、ソフトウェアなどを、利用者側は自由に用意することができます。
IaaSでは色々と用意する必要があるものの、ハードウェアレベルでの保守、運用が不必要になったりといったメリットがあります。

AmazonEC2などが代表的なサービスとして挙げられます。


Saas、PaaS、IaaSと見ていくと、IaaS>PaaS>Saasの順でIaaSが最も自由度が高く、その逆順にサービス構築や利用の手間が少なくなります。

■パブリッククラウドとプライベートクラウド
上記XaaS系のサービスとは別の次元でクラウドを理解するのに必要なのが、パブリッククラウドとプライベートクラウドという概念です。
この2要素の違いは、どこのクラウド環境を構築するのかということです。

・パブリッククラウド
一般的に「クラウド」と聞いて思い浮かぶサービスは、大体このパブリッククラウドに該当すると思われます。
例えば、Googleで提供されている各サービスは全てパブリッククラウドに該当します。

その事業者がデータセンターを持っていて、利用者はそこからリソースを借りて、使った分だけお金を払うという形態です。

メリットとしては、
?利用者が増えれば増えるほど規模の経済性が大きくなって、コストが低くなること
?既に環境が構築されているので、申し込めば、すぐにサービスを利用出来るようになる
といったことが挙げられます。

・プライベートクラウド
パブリッククラウドと比較して、一般の人間に一番理解しにくいのがプライベートクラウドです。

これは、自社のデータセンターにクラウド環境を構築するというシステム形式になります。
今までの企業システムでは各事業所ごとにそれぞれシステムを構築していたりということが多かったのですが、これを一箇所に集約してクラウド的に提供するという形式になります。

パブリッククラウドのように規模の経済の影響を受けることができませんが、その代わりセキュリティ的な問題も極小化できるというメリットがあります。
ただ、これは日本全体や世界各地に事業所を持っているような大きな企業しか構築するメリットがないと言えるでしょう。

ちなみに、日本のIT企業が「クラウドに社運を掛ける!」とか言っているのにそのサービスを見かけないのは、プライベートクラウドの構築に重きを置いているからです。


以上、こんな感じになりますが、もし嘘が混じってたらご指摘をお願いします。

楽天の社内英語公用語について考えてみる

  • 2010/06/20(日) 00:00:01

日本のネット企業としてもはや知らない人はいないほどの成長を遂げた楽天。この楽天が大体5月辺りから社内の公用語を英語にするとして話題になりましたが、ここ最近東洋経済やら日経ビジネスでこの話題が取り上げられるようになっています。

ネタとしては非常に興味深いので、ちょっと考えてみようと思います。

■「英語ができなければ役員も首」での本気度
一番最近に楽天の英語必須化のネタとして取り上げられているのは、東洋経済の以下の記事でしょう。

 昔から「英語だけしゃべれて仕事ができない奴がいっぱいいる」という人が必ずいるが、もう英語は必要条件。読み書きそろばんのそろばんと同じ。その意味で、英語がしゃべれない社員は問題外です。

 そうはいっても、「いきなり明日から英語をしゃべれ」というのは無理でしょうから、2年間は猶予を与える。2年後に英語ができない執行役員はみんなクビです。

 ――部長以下の役職の社員についてもそれは同じですか。

 グローバルに展開していくんですから、業務進行上の支障があれば、降格せざるをえない。日本語のできない人が、日本でビジネスをやっているようなものですよ。


(一部抜粋)

三木谷浩史・楽天会長兼社長――英語ができない役員は2年後にクビにします(東洋経済)


このほか、日経ビジネス2010年6月21日号にも、「特集 敵は世界にあり」として記事が組まれており、三木谷社長もインタビューにて同様の事を語っております。
ここ2ヶ月でここまで強烈にアピールをしているというのは、かなり本気であると考えてよいでしょう。失敗したら内外からの批判が一気に吹き上がるでしょうし。

ただ、ネットでこの話について調べてみると、批判的な内容が大半です。まぁ、例えば自分の勤めている会社が突然このようなことを言い出したらと考えると、文句の一つでも言いたくなるのはわからないことでもないですが。

■短期的にはマイナスは確実
それはさておき、英語強制と聞いてまず思い浮かんだのが、以下の外国語副作用のはなしです。

外国語副作用(がいこくごふくさよう, Foreign language side effect)は、第二言語を習得中の人間がその言語を用いているとき、処理資源(processing resource)をその第二言語の処理にとられるため、知的レベルが全般的に低下する心理現象をさす。

この現象は、外国語使用時に母語での会話時よりも知的能力全般が低く評価されてしまうことの原因となるため、外国語話者にとって切実な問題であると考える者もいる。


(以下略)

外国語副作用(Wikipedia)


社内で今まで英語がほとんど出来なかった人間を強制的に対して、英語を強制するということは、この外国語副作用が日本社員全体に蔓延するということになります。

そのため、本来であれば一部の人間を外国に駐在させ、英語ができる人間をだんだんと増やして行くというのが王道なんでしょうが、三木谷社長のスピード感覚では、そんなゆっくりした改革では満足できないのでしょう。

ただ、長期的にみれば英語ができる方が色々とメリットが大きいというのは直感的にもわかるでしょう。

改革というのは、業績が好調なうちにすべしというのは、よく聞く話です。切羽つまった状況であれやこれやと変えようとすると、まわりを見失って泥沼にハマってしまうからということでしょう。
三木谷社長の行う攻めの改革というのは、今でないと行えないという切迫感に基づくものでしょう。もし、失敗したとしても、最悪元に戻せばいいだけですし、潰れる、潰れない、という事にはならないはずです。

ソフトバンクの定額制が廃止されるとの噂

  • 2010/06/06(日) 00:00:01

米国にてiPhoneを提供しているAT&Tがパケット通信の定額制を廃止しました。
それにともない、ソフトバンクも定額制を廃止するのではないかという噂が広まっています。

■AT&Tは2GB縛りを開始。孫社長は否定をせず
まず、AT&Tの改訂プランの話です。
AT&Tは今までの定額プランを廃止し、200MBと2GBを上限としてそれ以上はさらに料金を徴収するプランに改訂しました。

 米国のiPhone独占販売キャリアAT&Tが6月2日、新しいデータプランとiPhoneのテザリング対応を発表した。新プランは定額無制限ではなく、定額従量制となる。

(中略)

 DataPlusは月額15ドルで200Mバイト分のデータ通信を利用でき、それを超えると200Mバイトごとに15ドルが加算される。DataPro は月額25ドルで2Gバイトを利用でき、それを超えると1Gバイトごとに10ドルが加算される。いずれのプランでも、AT&Tのホットスポットを無料で利用できる。AT&Tによると、同社のスマートフォン顧客のうち98%は、毎月の通信量が2Gバイト以内に収まっているという。新しいデータプランと音声プランを合わせると、月額54.99ドルからとなる。

(以下略)


AT&T、iPhoneのテザリングに対応 無制限データプランは廃止(ITmedia)


この件に関して不安になったのが日本のソフトバンクユーザーです。例によって例のごとく孫社長に質問したことろ帰ってきたのが以下の答えです。

悩ましい問題。世界中の携帯事業会社の経営者の悩みです。 RT @shido109: アメリカの大手携帯通信メーカーが、データー量増大のためパケット定額を廃止するそうですが、ソフトバンクはそんなことはないですよね?

http://twitter.com/masason/statuses/15326029361


孫社長の否定も肯定もしないこの反応。ソフトバンクは最初は良心的な価格で提供しても、ある程度のシェアを獲得すると値上げに踏み切る傾向があるため、この反応からiPhone4Gが出た辺りで料金プランを改訂するのではという懸念が膨らむのも無理からぬ事です。

■我がiPhoneは最大800万パケット到達しているが…
さて、このニュースを受けて私がどのくらいパケットを消費しているか調べてみましたら、大体200万〜500万パケット。そして、3月だけ800万パケットを超えていました。

パケットがどれくらいの容量に達するか、下記サイトで調べてみました。
http://7aqua.com/pac/

大体1GB弱。AT&Tの2GB縛りを考えると、私の生活ではおそらく到達することはないと思われます。

ただ、これは私がiPhoneで動画をめったに見ないから言えることです。
メインで私が観ている動画共有サイトはニコニコ動画ですが、iPhoneアプリは未だjpgの紙芝居のまんま改良されません。
ですから、もしニコニコ動画のiPhone版が、見るに耐えうる改良のなされた場合、2GBを超えることがあるかもしれません。

ただ、ここでよく考えると、ソフトバンクのパケット定額フルでは、1000万パケットの縛りをやっているんですよね。

 ソフトバンクモバイルは、12月1日より、通信品質およびネットワーク利用の公正性確保を目的に、パケット定額サービスに加入し、一定期間に大量の通信を利用するユーザーを対象とした通信速度制限を実施することを明らかにした。

(中略)

 具体的な制限対象は、携帯電話向けのパケット定額サービス(パケットし放題、パケットし放題S、パケット定額ライト、パケット定額)の加入者で、月間 300万パケット以上(PCサイトブラウザ、PCサイトダイレクト利用時は1000万パケット以上)利用したユーザー、スマートフォン向けの「パケット定額フル」の場合は、1000万パケット以上を利用したユーザーとなる。

(以下略)


ソフトバンク、12月1日から大量通信ユーザーを速度制限 (ケータイWatch)


となると、わざわざここで悪名をかぶってまでパケット定額をやめる理由は考えられません。これからのiPhoneやiPadは一応simロックフリーとの話ですから、ヘタをすると回線品質の良いdocomoでもiPhoneやiPadを販売するようユーザーの声が高まる可能性もあります。

今回のあいまいな態度は、あまりパケットを使いすぎないようにという孫社長の脅しということでしょうか?

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