クロノベルト レビュー

  • 2008/05/24(土) 22:41:57

 今回のレビューはpropellerの新作『クロノベルト』のレビューです。
 本作はpropellerの過去作、「あやかしびと」と「Bullet Buttlers」の両作のファンディスクにあたります。

・シナリオ
 本作のシナリオライターは「あやかしびと」や「Bullet Buttlers」と同様「東出祐一郎」氏です。
 燃えの伝道師としてのシナリオ作成はあいかわらずで、バトルのみならず、漢の生き様が非常に格好良く描かれているため、燃えを求めて買う人は文句なしのシナリオとなっています。

 さて、本作ではクロノベルトに至るまえに九鬼耀鋼とアルフレッドが主人公となる2編があるわけですが、この2編はおそらくアルフレッドや九鬼耀鋼に思い入れが無いと楽しめないと思います。
ただ、あやかしびとやBullet Buttlersをプレイした方々なら、この二人の最後についてはなにかしらものもの悲しさや物足りなさを感じていると思います。つまりは、あやかしびとやBullet Buttlersをプレイした人にとっては皆が楽しめるシナリオとなっていることは請け負います。

 次にクロノベルト編は、他の2編の続きとなっていますが、このシナリオについては正直賛否両論となるような気がします。まず、混沌都市自体も非常に陰鬱ですし、最初殺し合うのがあやかしびと陣営とBullet Buttlers陣営ということで、決して楽しいものではありません。後半からは真に戦うべき相手が出てくるのは戦うべきの相手が出てくるのはもちろんなわけなのですが、そこまでの盛り上がりにユーザーが耐えられるかどうかは疑問が出てきます。
 そこからの怒濤の展開は文句なしですし、最終決戦で出てくる『伝説の武器』などは一部の方にとっては大喜びでしょうから、最後までプレイすれば文句なしである子は間違いないのですが。

 最後に気を付けなければならない点としては、ヒロインキャラの中で、あやかしびとのメインヒロインたる如月鈴には目立った出番がありません。サブキャラの姉川さくらや新井美羽と同じくらいの出番がありません。鈴の出番を期待してこのファンディスクを買うという人には絶対にお勧め出来かねます。

・グラフィック
 今回のグラフィックも過去作同様「中央東口」氏が手がけています。立ち絵に関しては既存キャラはそのまんまのを使い回しで、新キャラについてはもちろん新規立ち絵が用意されています。

 シナリオが新規なわけですから、CGも新規のものがちゃんと用意されています。あくまで私感ですが、女性キャラに関しては今までより可愛らしくなっているような感じを受けたのは気のせいではないと思います。

 女の子は可愛らしく、漢は格好良く、モンスターはグロくという、ことで、本作を買う人の期待から外れはしないでしょう。ただし、ちょっと怪物系の出は少なめという気もしましたが。


・システム、その他
 システムについては、選択式のオーソドックスなアドベンチャーです。特に好感度などもなく、ほとんどのバットは選択肢を選んだらすぐ終わりに直結という感じなので、迷うこともないと思います。

 ただ、クロノベルト編も、ほとんど総当たりでクリアできてしまうため、少々物足りなさも感じました。このシナリオだけは、もうちょっとゲームらしい仕込みも出来たような気がします。

・推奨、非推奨
こんな方にお奨め
・あやかしびとかBullet Buttlersの両方をプレイした方
・渋い生き様に憧れる方
・魔界塔士Sa・Gaをクリアしたことのあるかた

こんな方にはお勧め出来ません
・あやかしびととBullet Buttlersを両方ともプレイしたことの無い方
・パロディネタなどを許容できないかた
・物語のキャラクターは須く生き残るべしという理念思想を持っている方

ドコモの減収増益から見える携帯業界の未来

  • 2008/05/18(日) 22:57:29

 携帯三会社で契約者獲得争いではソフトバンクがひたすらトップを走り、ドコモが一人負けをしていることはかなり知られた話となっています。これによって、当たり前のことながらドコモの売上高はこの一年で減少しました。
 しかし、ドコモの利益は増えていることはご存じでしょうか?

 日経ビジネス2008年5月12日号では、この減収増益の理由について

1、携帯販売は新規顧客に対してはかなりの販促費をかけているため、売れば売るほど一時的な利益は減るという構造にある。つまり、負けた分だけ一時的な利益は増えるという構造にある。
2、販売奨励金方式から割賦販売方式への移行によって、短期的な利益が増えた。

という2点を示しています。しかし、この2点はあくまで短期的な増益しか見込めないことから、新規顧客の獲得が必須であることは確実です。

 ここで湧いてくる疑問が、「そろそろ携帯も十分に普及し、新規顧客など見込めないのではないだろうか」という考えですが、意外とそんなことはないようです。

 電気通信事業者協会が公表しているデータを見ると、2008年3月においての契約者数が102,724,500件で、2007年3月の契約者数が96,717,900件となっていることから判るとおり、月平均で50万件増加しています。これは決して無視できる数字ではありません。

 しかし、忘れてはならないのが、業界の競争によって一件当りの通信利用料金は減っていっていることです。これは、資本主義の競争原理が上手く働いている証拠ですから、利用者としてはありがたいことですが、携帯会社としては危惧すべき事でしょう。

 一人当りの通信による料金徴収が今までの方式では難しくなるとなると、次に考えられる戦略としては、通常の通信以外のところからの料金徴収です。6月下旬で退任する夏野剛執行役員はiモード向けの震災との発表会見において、
「ドコモとしての限界はコンテンツを作る企業ではないこと。今回のように社会的意義のあるコンテンツがようやく出てきたことは感慨深い」
とコメントしていました。

 この先、おそらくSIMロックは解除され、携帯電話のハード面での差異は無くなるでしょうから、コンテンツでの競争が強まっていくことは確実です。
 携帯会社はコンテンツ面でも独自の強みをもっていますが、次なる競争で勝ち残るのはどの会社となるでしょうか。

参考:
ドコモ、独り負けゆえの増益:NBonline(日経ビジネス オンライン)
携帯電話・PHS契約数ページ 電気通信事業者協会(TCA)
「ドコモの限界はコンテンツ企業でないこと」ドコモ夏野氏・最後の会見 モバイル-最新ニュース:IT-PLUS

「あやかしびと」 レビュー

  • 2008/05/11(日) 23:10:18

 今回は、propellerが2005年6月24日に発売した「あやかしびと」のレビューです。正直、propellerの作品は気になっていたものの、なんとなくプレイする気にならなかったのですが、キャラメルBOXやLump of sugarに在籍していた朱門優さんが移籍したとのことで、せっかくだからとプレイすることにしました。

 本当は、propellerの新作クロノベルトとまとめて買えば良かったのでしょうけど、十分に時間がとれるのがGWくらいだったので、同ブランドのBullet Butlersと併せて先にプレイしてしまいました。

 それでは、レビューです。

・シナリオ
 シナリオライターは、東出祐一郎さんです。この方が関わったゲームというのは、このあやかしびとが初めてだと思います。噂では、Pulltopのプリンセスワルツの一部戦闘シーンも担当したいたとかなんだとか。とにもかくにも、燃えに関しては一流のライターさんだと思います。

 さて、このあやかしびとでは燃えが非常に秀逸だというのはいうまでもないのですが、ここで特筆したいのは舞台の幅が広いということです。
 例えば、一般的な学園物では制作費だったりスタッフの情熱の問題から些末ごととして省略されてしまうようなシーンもしっかりと描かれます。また、人物も、敵味方問わずそれぞれがしっかりとしたバックグラウンドを持ち、状況に応じて「敵」「味方」という立場を超えて動き出します。このようなことが起こりうるのは、キャラクターもしっかりと描かれているからといってもいいでしょう。

・ビジュアル
 本作の原画担当は中央東口さんです。今ではpropellerの代表的な絵師さんといっても過言ではないでしょうが、もともとはニトロプラスで原画をなさっていた方です。
 ただ、私の場合は、ニトロプラスでのこの方が原画を担当なさったゲームを一作もプレイしたことがありません。propellerの作品も今になってやったくらいですし、どうも巡り合わせが悪かったようです。

 さて、この方の描くキャラクターなどについて私感を述べますと、「萌えより燃え、女より男、男より人外」という感じでした。確かに、女性キャラクターたちは魅力的なんですが、それよりも男性キャラクターの格好良さが映えます。これは、美少女ゲームであるにも関わらず、女性キャラより男性キャラの方が多いことにも現れていますが、この男性キャラクターたちが闘い、血みどろになり、時には死んでいく様相というのは、深い感慨を抱かされます。また、人外達も非常に奇抜なデザインから心に残る物となっています。

・システム・その他
 システムは、ごく基本的なノベルタイプの美少女ゲームです。気をつける点としては、メインヒロインのすずが、他のヒロインのシナリオをクリアしないと進めないという点でしょうか。
 その他、気をつけなければならない点としては、サブの女性キャラと男性キャラがくっついたり、どっかで陵辱されてたりというシーンがあるので、苦手な人は要注意です。

・推奨、非推奨
こんな方にお奨め
・燃えシナリオが好きな方
・ごく当たり前の学園物に飽きてしまった方
・緩急に富むシナリオを好む方

こんな方にはお奨めしません
・「出てくる女はすべて主人公の物!!」派の方
・陵辱的な話に強い嫌悪感を持つ方
・シナリオによって救われない人が出てくるような話が駄目な方

 

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