『てとてトライオン』レビュー

  • 2008/10/26(日) 23:14:41

 今回は、PULLTOP制作の美少女ゲーム『てとてトライオン』のレビューです。久しくこの手のレビューは書いていなかったような気がしますが、そこそこ余裕が出てきたんで、せっかくだからとプレイしてみました。

 発売日が8月29日なので、かなり経ってはいるんですよね。

・シナリオ
 メインシナリオライターは『椎原旬』氏と『下原正』氏です。同社原画家の『たけやまさみ』氏が原画家をなされているラインでのいつものライターさんにして、いつも前向きなストーリーを世に送り出している方々です。

 この制作ラインでの前作にあたる『PRINCESS WALTZ』ではほぼ一本道ので戦うことに力点が置かれたことから、少々微妙なプレイ感が残りましたが、本作ではほぼ全体に楽しさが詰め込まれ、実に「らしい」内容になっていたと思います。

 さて、本作の楽しさの大本にあるのは、舞台となる「獅子ヶ崎学園」という場の設定の上手さです。
 この獅子ヶ崎学園は最先端の技術を持ちながら諸事情によりシステムダウンし、完全復旧には至っていないという舞台設定です。
 一般的に物語というのは、山場において何らかの困難や問題を乗り越えていく姿を見せるというのがもので、美少女ゲームで良く用意される山場というのは、
1.主人公とヒロインのすれ違いが発生する
2.主人公とヒロインが別れなければならなくなる
3.主人公やヒロインの過去の心の傷やトラウマが再び表に出てくる
の3パターンが常套です。
 しかし、これらの展開はその場に入ると実に鬱々としてもので、いわゆる「泣きゲー」としては良いのですが、明るい雰囲気があふれるゲームでこれをやると、ストーリーの山場というより「谷間」になりかねない危険性がつきまといます。

 その点、この「てとてトライオン」では発生する問題は大体この獅子ヶ崎学園のトラブルに因るもので、その解決を仲間と力合わせ行っていくというものなので、自然と鬱々としたストーリー展開は少なめとなります(まぁ、皆無ではありませんが)。
 
 鬱々としたストーリーに飽き飽きの方には是非おすすめです。


・グラフィック
 前述の通り、原画家は『たけやまさみ』氏です。上手な原画家さんはたくさんいらっしゃいますが、動きのある絵を描かせたら氏の右に出るものはそうはいないでしょう。また、動きだけでなく喜怒哀楽を含んだ表情の描写も一流で、「この絵、ちょっと崩れてね?」といったものも皆無ですから、グラフィックについて文句のつけようはありません。

 また、今回はSD原画には、ケモノとSD描かせたら一流の『いくたたかのん』氏が担当なさっています。確かPULLTOPでのお仕事は『お願いお星様』以来となるでしょうが、このたけやまさみ氏の絵と併せて非常にメリハリのついた演出がなされています。

 まぁ、相も変わらず、PULLTOP制作ゲームでグラフィックに対するケチはつけようがありませんね。

・システム、その他
 本作で特徴的なのは選択肢の少なさです。
 選択肢が発生するシーンは共通シナリオで2シーン。しかも、選択肢は2つだけなので、2×2でヒロインの数の分だけと非常に潔い構成となっています。
 これをゲームとしてどうかと見るかは意見の分かれるところですが、少なくとも攻略サイトいらずではあります。

 また、特筆すべきバグもなく、システム的に必要な機能はすべて整っていることからこの点からの文句は出ないでしょう。

・推奨、非推奨
こんな方にお奨め
・鬱要素の少ない明るい話を求めている方
・キャラクター同士のつながりを感じさせる話を求めている方
・短すぎでもなく長すぎでもない適度な長さの話を求めている方

こんな方にはお奨めできません
・躁鬱の激しいストーリーをお求めの方
・大作ゲーム志向の方
・魅力的なヒロインが出てきたら、専用のストーリーが用意されていないと我慢ならない方




決算から見るIT業界の景気は?

  • 2008/10/19(日) 23:06:26

 今世の中は100年の一度の大不況突入か?との声が上がってきています。震源地はアメリカのサブプライムローン問題、つまり金融業界からですが、その影響はあらゆる業種の実経済に影響しつつあります。

 さて、ここで気になるのはIT業界の景気先行きです。日進月歩のIT業界は日々我々を楽しませ、驚きある機器やサービスが次々と出現していますが、万が一軒並み倒産などといった事態になったら、楽しむどころか日々の生活すらおぼつかなくなります。

ということで、色々と調べてみました。まぁ、経済に明るくない理系ですから、多少の粗はご容赦を。

・米国企業決算から見るこれまでの状況
 さて、景気を占う上で有効な指針となるのが、各企業の決算報告です。グーグルやらインテルやらの決算発表はつい最近でしたが、ニュースを見る限りでは以下の通りになっています。

 米インテルは14日、7−9月期(同社第3四半期)決算発表を行った。発表によると、第3四半期純利益は20億1千万ドル、一株利益35セントとなり、前年同期の17億9千万ドル、一株利益30セントから上昇を示した。

インテル7−9月決算発表、今後の見通しは不透明(IBTimes)

米インターネット検索最大手グーグルが16日発表した08年7〜9月期決算は、売上高が前年同期比31%増の55億4139万ドル(約5600億円)、当期利益が同26%増の13億4616万ドル(約1400億円)となり、増収増益を確保した。

米グーグル増収増益、ネット広告堅調 7〜9月期決算 (asahi.com)


 その他、アップル社やマイクロソフトなどがそろそろ決算発表となりますが、少なくとも9月までの業績はそれほど悪くなさそうな感触を受けます。サブプライムローン問題が取り上げられ始めたのが大体去年の末頃からだったと記憶していますが、少なくとも昨月ごろまでは業界は元気だったようです。

 しかし、上記決算についてのニュースでもこれからの先行きはかなり不安視されており、リーマンブラザーズやAIGの破滅から端を発する金融の信用収縮と世界的な株価の急転直下の業績への影響はこれからとなりそうです。


 日本においてはもうすでに株価が一気に落ちていますが、それに関して興味深い考察がCNET JAPANに載せられています。
 経済ニュースで頭が痛くならない方は一読してみるのもどうでしょうか?
 
<参考>
主力IT関連株の下落率で明暗を分けた理由(CNET JAPAN)

B-CASが廃止されるというの本当か?

  • 2008/10/13(月) 01:36:23

 テレビ放送の地上デジタル方式への移行の問題の一つとして挙げられていたコピーコントロールの要であるB-CASが廃止が確実となることを池田信夫氏がASCIIの記事と自身のブログにて述べています。

 総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委員会)」は9月26日、地上デジタル放送のB-CASを見直すことを決めた。6月にまとめられた第5次答申では「消費者や権利者の立場からB-CASについてさまざまな指摘が行なわれた」ことを理由に廃止の方向を打ち出している。放送局も反対していないので、B-CASの廃止が事実上決まった。

「第5権力」としてのウェブ(池田信夫:ASCII.jp)


 ただ、これは確定事項ということではなさそうで、J-CASTニュースで指摘されている通り、池田氏の述べている内容をついての反論も出ています。
 J-CASTニュースで紹介されているのは、「まるも製作所」というサイトさんの10月7日の記述です。

<参考1>
10月7日(火) 池田 信夫 教授の記事に関して(まるも製作所)

 まるも製作所さんでは、「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の公聴内容を記述なさっていて、池田氏がB-CAS廃止の論拠とした2008年9月26日にしても書かれています。

<参考2>
10月6日(月) デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会 (第44回)(まるも製作所)


 
 さて、これらを踏まえての私の個人的意見ですが、B-CASが廃止されるかどうかは五分五分だと思います。池田氏の意見はそれなりに説得力を持ちますが、池田氏のブログにてアスキーでの記事を補強する上で、

ASCII.jpの記事について各社から問い合わせがあったので、補足しておく。情報源は明かせないが、この内容は一次情報にもとづくものである。


とおっしゃっています。この情報源に当たる方が匿名となっているようでは、意見の説得力はありません。また、9月26日の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」についてのニュース報道をみても、あくまで「見直し」としか書かれていないことから、廃止と断定するのは先走りのような気もします。

 「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」の次回は10月14日になるので、実際のところどうなるのかという進展については、この委員会にて明らかになるかもしれません。

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