アップルとマイクロソフトの決算は対照的な結果に

  • 2009/04/26(日) 11:38:13

さて引き続き決算シーズンの話となりますが、今週は22日にアップル、23日にマイクロソフトの決算が行われました。2社ともOSを販売しているIT企業の雄として有名ですが、決算発表では対照的な結果となりました。

まず、マイクロソフトの結果。

 米Microsoftは米国時間2009年4月23日,2009会計年度第3四半期(2009年1〜3月期)の決算を発表した。売上高は136億 5000万ドルで,前年同期の144億5000万ドルと比べ6%減少した。純利益は29億8000万ドル(希薄化後の1株当たり利益0.33ドル)で前年同期の43億9000万ドル(同0.47ドル)から32%減少した。営業利益は44億4000万ドルで,前年同期の42億9000万ドルを3%上回った。

 上記の数字には,5000人の従業員削減策に伴う解雇手当など2億9000万ドルのほか,投資損失4億2000万ドルが含まれる。これら経費が1株当たり利益を0.06ドル引き下げた。

(以下略)


Microsoftの1〜3月期決算,11%減収で32%減益 (ITpro)

次にアップル。

Appleは、経済不況の中、ウォール街のコミュニティーで出されていた予測を大きく上回る売り上げおよび純利益を発表し、2009会計年度第2四半期(2009年1-3月期)の好決算を報告した。

 3月28日に期末を迎えた第2四半期に、Appleは、前年同期の75億ドルを上回る、81億6000万ドルの売り上げを記録した。純利益は12 億1000万ドル、1株当たりの利益は1.33ドルとなっている。多くのアナリストは、79億6000万ドルの売り上げと、1株当たりの利益は1.09ドルになるとの予測を出していた。


アップル、予測を上回る好決算--ホリデーシーズン以外の四半期では過去最高(CNET JAPAN)


ということで、景気悪化の影響を受けているマイクロソフトに対して、アップルは予想以上の好景気に沸いていることになります。

特にアップルはCEOのスティーブ・ジョブズ氏が病気療養中ということで経営が不安視されていましたが、とりあえずその悪影響は出ていないということになります。

ただ、アップルは今年の初夏ごろにiPhoneの新型を、マイクロソフトは来年の頭に新OSのWindows7を控えているなど、近々ビックタイトルが出されるだろうと目されています。それらの出来の如何によって、また業績の潮目となるであろうことは確実です。

Google決算、評価は二分のまま

  • 2009/04/19(日) 23:12:59

さて、4月になりまして、決算の発表シーズンとなってまいりました。
そこで、いつも本ブログで気にかけているのがGoogleの決算です。
前回の決算まではいつも好調を続けていたものの、近日ではいわゆるリストラを行うなど、不況の影響を強く受けてしまっています。

そのため、決算を控えた前評判として、これからのGoogleが好調を保つか、それとも減速するか評価が二分しているという記事がCNETによって書かれていました。


 とはいえ、アナリストは、それぞれ異なった評価を出している。

 Broadpoint AmTechのアナリストであるRob Sanderson氏は、悲観的な評価を出した。Sanderson氏は、Google株の評価を、これまでの「買い」から「中立」に格下げしている。

(中略)

 一方、Oppenheimer & Co.のJason Helfstein氏およびAnil Gupta氏は、Googleが、検索広告の売り上げで好調な伸びを見せ、アナリストの予測通りか、その予測を上回る業績を発表すると考えていることを明らかにした。

グーグル、まもなく第1四半期決算を発表--アナリストの評価は二分(CNET JAPAN)


さて、それから決算は米国時間の4月16日に行われ、結果としては増収増益、されど売上高は下がったという結果になったわけですが、ここで非常に興味深いのは、この件における各ニュース配信元の記事タイトルの付け方です。前向きなところに着目しているか、それとも悲観的なところに着目しているか分かれる結果となりました。

前向きな書き方をしているのはCNET JAPANのみです。
グーグル第4四半期決算、予測を上回る増収に(CNET JAPAN)

中立的な書き方をしているのは以下の通り。
Google第1四半期決算は増収増益、前期比では売上高3%減(INTERNET Watch)
GoogleのQ1決算,増収増益なるも成長率は急減速(ITpro)

悲観的な書き方をしてるのが以下の通りになります。
Googleの成長に急ブレーキ 売上高の伸びが1けたに(ITmedia)
Google が第1四半期決算発表、前四半期比で初の減収(インターネットコム)

以上の結果をみると、結局決算の発表でも好調不調の結論は出しづらいものとなったようで、完全好調になるか、下降の一途を辿るか、もう少し動きが固まるのを待つしかないようです。

auの新ブランド「iida」を批判してみる

  • 2009/04/12(日) 23:32:15

auの新ブランド「iida」が2009年4月7日に発表されました。iidaとは、「innovation」「imagination」「design」「art」の頭文字を取ったものとのことですが、どうもこのiidaで納得しがたい点があります。

それが、iidaの中の1プロジェクト「Art Editions」です。

このArt Editionsは、前衛芸術家、草間彌生氏によって手掛けられたもので、マイコミジャーナルによると以下のように書かれています。


草間彌生氏は、水玉で覆い尽くされた強烈な色彩の作品を創り出す前衛芸術家。
今回発表された3作品はいずれも過去に制作された作品を原型としており、緻密な手作業や高度な印刷技術を駆使することで、携帯電話としての機能性を損なうことなく"アート"的なクォリティを実現。
高価な携帯電話は過去にもブランドとのコラボレーションなどによる例があるが、同シリーズはただ高いだけではなく、アートとしてのクォリティと永続的な価値を持った「作品」として提供することをコンセプトとしている。

(一部抜粋)


携帯を現代アートに - KDDI、iidaで草間彌生による3作品発表
(マイコミジャーナル)


このArt Editionsでは100万前後の商品もあることで話題になっていますが、どうしてauは携帯電話をアート作品にして売るつもりになったのでしょうか。

例えば時計でしたら、既に時を刻むという機能は成熟した状態にあり、その中で作られた作品にはアートと言っても過言はないものが数多くあります。
また、機械式時計は修理とオーバーホールを繰り返し、長く使っていくことが前提とされていることから「永続的な価値」を提供していると言っていいでしょう。

世界的な時計ブランド「IWC」の広告におけるキャッチコピーに、以下のようなものがあります。

IWCの時計がどれぐらいもつのか、
私たちにはわかりません。
まだ、140年しか経ってませんから。


このキャッチコピーは、IWCが創業から140周年経ったことを受けてのもので、まさに「永続的な価値」を自信を持って提供していることの現れでしょうが、それと比較してauのArt Editionsではどうでしょうか?

今回のArt Editionsで提供される携帯電話は東芝のT001を元にしています。参考:au iida Art Editions YAYOI KUSAMA(フルチェン T001)(ケータイ情報局)

携帯電話は時計と比べると発展著しく、数年経ってしまえば、新しいモデルと比較して価値の劣るものとならざるを得ません。それはArt Editionsも例外ではなく、少なくとも携帯電話としては「永続的な価値」など望むべくもありません。

近年の高額携帯としてはノキアの「Vertu」が思い起こされますが、あれは富裕層向けのコンシェルジュサービスの入会費としてまだ理解可能な範囲でした。
しかし、今回のiida Art Editionsは好意的に見ても草間彌生氏の作品のオマケ程度としてしか見ることができず、少なくとも価値のある携帯電話と見なすことはできません。

アートやデザインに対して慧眼をお持ちの方ならば、好意的な解釈が出来るのでしょうが、少なくとも私には無理でした。

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