iPad発売。今後の栄枯盛衰はいかに?

  • 2010/05/30(日) 21:37:57

2010年5月28日、米国の4月30日から遅れること約1ヶ月。
とうとうApple社のタブレット型メディアプレイヤー、iPadが発売しました。果たして日本での売れ行きは?そしてこれからの日本にどのような影響を与えるのでしょうか?

■行列できるが、全体的にはそれほどでもなし?
私の周りにいる人と会話するとよくiPadが話題に出され、26日から並んでいる人の話題などが持ち上がりました。
また、予約は早めに打ち切られてしまったことから、当日買いを狙った人が集まったようです。

 [東京 28日 ロイター] 米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の新型端末「iPad(アイパッド)」の 国内販売が28日午前に始まった。午前8時から販売を始めた「アップルストア銀座店」(東京都中央区)では、当日販売分をねらう顧客を中心に約1200人が行列を作った。

(以下略)

アップルのiPad国内販売が開始、銀座店には1200人が行列(ロイター)


ただ、これは中心となるアップルストアなどのお店の話で、家電量販店では売れ残りがあったようです。

大手家電量販店のうちビックカメラは取り扱い11店のうち、午後5時時点で完全に在庫切れとなった店舗はゼロ。29日以降も複数の店舗で販売する見通しだ。18店で販売したヨドバシカメラでも午後5時時点で完売したのは「一部の店舗で、一部のモデル」(渡辺哲也ハード・関連機器商品事業部長)に限られた。全57店で取り扱ったヤマダ電機も、一部店舗で在庫が残っているという。

(一部抜粋)

iPad発売、直営店に行列 品切れ店舗少なく(日経新聞電子版)


たしか、iPadの発売に先駆けて、商品を販売する店舗をかなり絞り込んでいたはずです。
それでもなお、どうこもかしこも買えないという状況にあらないのは、初期販売の台数がかなり確保できたのか、それともまだ騒がれるほど売れていないのかわかりません。
せめて、販売台数くらいニュースになっていればいいのですが、そのような記事はちょっと見つかりませんでした。


■サービスは開始されつつも、問題は審査基準?
ただ、やはりiPadを起点として電子書籍への注目は注目に値します。雑誌や書籍などはiPadを主眼としたサービスが立ち上がっているのをちらほらと見かけます。
例えば、電通とヤッパが行っているマガストアは雑誌の配信数が大違法でしょうか。

 電通とヤッパは18日、電子雑誌の有料配信サービス「MAGASTORE(マガストア)」のPC向けサービスの開始、および5月下旬からはiPad向けにも提供することを発表した。マガストアで購入した電子雑誌は、複数デバイス間で閲覧することができる。

(一部抜粋)

電子雑誌販売サービス「マガストア」、iPadとPCに対応 - 電通・ヤッパ(マイコミジャーナル)


ちなみに、このマガストアは55誌の雑誌を配信しています。

その反面、気になるのはやはりAppleのコンテンツ審査基準があいまいなところです。
講談社からiPad向け版が発売される京極夏彦氏の『死ねばいいのに』も大きな話題となっていましたが、この販売をしている講談社の副社長、野間省伸さんも不安の声を漏らしています。

ただしAppleの場合、希望の発売日にアップルが販売を始めさせてくれるかどうか分かりません『死ねばいいのに』の発売時期について、「6月上旬を目指している」としているのはそのためです。またアップルが「表現が不適切」と判断した場合、売ることができません。判断基準は曖昧で、運営方針をより明確にしてもらいたいところです。

(一部抜粋)

iPadで出版、期待と不安(日経ビジネス 2010.5.31号1P)


この話で思い出されるのが少々前に講談社の働きマンをiPhoneアプリ化しようとする試みで、入浴シーンがあるために蹴られていしまったという話です。

ボイジャーが関与した講談社のコミックをiPhoneアプリ化し、iTunes Storeに申請したところ、30%程度がリジェクトされましたから。全10巻で4巻目までOKなのに、5巻目以降が出せない、とか。暴力ではなく疫病の発生で血を描いている場面も、残虐シーンだと判定されてしまいましたよ。

 「働きマン」(安野モヨコ作の女性編集者が主人公のコミック、もちろんエロ系にあらず)は、主人公が疲れを癒す目的でマッサージを受けているとき、伸びをしたところ誤って胸が露出したシーンが引っかかりました。OLが主人公のコミックで、入浴シーンがないものはないですからね。うっかり風呂にも浸かれない。腰湯もダメですね、胸が出ちゃうから。


(一部抜粋)

電子コミック「働きマン」が配信拒否になった理由--電子書籍時代の検閲(builder)


iPadの普及の鍵を握っているのは、いかにコンテンツを揃えられるかという点に掛かっています。iPod普及のときはiTunesStoreに様々な音楽を並べることをAppleは成功しました。iPad向けでは、こんでは書籍やテレビコンテンツなどもそろえることが必須となります。
しかし、上記に述べてようなコンテンツ提供者の不安を考えると、コンテンツ拡充のための十分な環境は整っていないように思えます。

もし大幅に変化が起こるとしたら、こんどのiPhone4Gの発表辺りでしょうか。
Apple製品の1台目は人柱向け。一般的に使えるようになるのは2代目、3代目からというのはよく聞く話です。果たして、その時にコンテンツの状況はどうなっているのか、非常に興味深いです。

Twitterとニコ動で振り返る口蹄疫問題のメディア規制の有無

  • 2010/05/22(土) 11:38:35

宮崎県で猛威を奮っている口蹄疫の被害拡大が止まりません。
農家に対しての保障額は1000億円という話ですし、イギリスでは2001年に1.5超円程の被害が出ています。

それとは別に、この件において注目したいのは、ネットとマスメディアでの注目速度の差です。
ネットでは比較的初期に大きな話題として持ち上げられてのに対して、マスメディアの報道に本腰を入れたのはかなり後になってからでした。

メディアに対して報道規制がかけられているという話も持ち上がっていましたが、果たして実際のところはどうだったのでしょうか?

■原口総務大臣が報道規制をかけたというのはデマだ!
まず、メディアに対しての緘口令の話が持ち上がったのが、原口一博総務大臣のTwitterの回答になります。

まず、Twitterにてredmaximumという方が原口総務大臣に対して以下のように質問しています。

@kharaguchi おはようございます。ところで大臣、ネット上でも広がっていますが口蹄疫の政府対応は後手後手ではないですか?しかも農水大臣が優雅に外遊していたことをどうお考えですか?

http://twitter.com/redmaximum/status/13632380086


それに対しての総務大臣の回答が以下の通りです。

@redmaximum  ありがとうございます。後手ではありません。発生後、すぐ私は指示をしています。風評被害が大きくなれば、さらに大きな被害となります。畜産と言う産業の性質上の問題もご考慮ください。

http://twitter.com/kharaguchi/status/13632923335


政府の対応への質問に対して、風評被害対策を取り上げていることから、原口総務大臣が報道自粛を促しているという話がネットを駆け巡りました。
しかし、これに対してデマだと真っ向から否定しているのが産経新聞です。

 9日には、明らかなデマも流布された。

(中略)

 平成12年の流行時には買い控えなどの風評被害が出たため、マスコミの口蹄疫報道が当初は淡々と事実だけを伝える傾向だったことも一因との見方もある。誤解に気づいた原口氏は11日、ツイッターで「指示」の内容を「総務省として自治体を全力で支えること」などと説明し、「報道規制の指示などありえない」と否定に躍起だ。


(一部抜粋)

口蹄疫問題、ネットで“炎上” 赤松農水相に批判 「報道統制」のデマも(産経新聞)


原口総務大臣のTwitterでの発言からでは、報道規制を指示したと推測はできても、断言はできません。また、フジサンケイグループの一員である産経新聞では、報道規制の有無なんて、自グループ内を取材すればわかる話ですから、そこで「報道規制なんてデマだ」と断言できたのでしょう。


■でも赤松農水大臣は「お願いをした」と言ってる?
ところが、2010年5月17日の決算行政監視委員会第三分科会にて、赤松農水大臣の答弁がニコニコ動画に載せられていて、あれ?と思う発言がなされていました。
動画に加工でもされていなければ、農水大臣の口から報道自粛の依頼が出ていると読み取れる発言がなされています。


ニコニコ動画

風評被害に対して心配していましたので、マスコミの皆様がたにもそれをお願いして、これについてはかつのBSEと比べていただければわかりますが、非常に冷静に見ていただいておりまして、これはうまくいったと思うんですけれども。

(2:29〜)


原口総務大臣の発言だけでは報道自粛依頼がなされていたかは微妙でしたが、今回の赤松農水大臣の発言と合わせると、おそらく政府からマスメディアに対して、報道自粛依頼がなされていた可能性はかなり高いでしょう。
処分確定頭数が7万を超えたところにくるまで、申し合わせたように報道が控えられていたように感じられたのにもこれで納得がいきます。ただ、それだと産経新聞は嘘をついていたということになりますが・・・。

どうであれ、今回の件に関しては、マスメディアが口蹄疫について大きく報じ、GW前の赤松農水大臣の外遊を批判していれば、今回程の拡大を防げたかもしれません。政治主導を標榜している民主党政権下において、大臣の不在の影響は皆無ではないはずですから。
つまり今回の件ではマスメディアは権力監視機能を果たしていなかったと言えます。

もし、政府からの自粛依頼に対してなにも考えずに従っていたと仮定して、そして風評被害を懸念しても仕方が無いほど感染が拡大したことを防げなかったこと自体を顧みないようでは、大きな権益が与えられているマスメディア各社の存在意義自体を疑ってしまいます。

できることならば、本当に政府からの自粛の依頼はなかったのか、そして本腰をいれた報道がここまで遅れたのはなぜなのかということについて、各メディアともしっかり説明頂きたいところですが・・・。

ニコニコ動画、ついに黒字化!

  • 2010/05/16(日) 00:00:01

動画共有サイト「ニコニコ動画」の収益が2010年度第2四半期において黒字化を達成しました。
テキストや画像と比べてデータ量が多いことから、動画共有サイトは黒字達成は難しいと言われてはや数年。経営の妙もあって、とうとうの達成です。

■四半期では黒字。通期では赤字?
そもそもの黒字化の話が今年最初に持ち上がったのは、エイプリルフールです。文字が色々と黒色になったこということで「黒字化」というネタだったのですが、このころには本当に黒字達成の算出は出来ていたのでしょうね。

四半期黒字達成時の内訳は以下のように報道されています。

第2四半期におけるニコニコ動画収入の内訳としては
プレミアム会員収入 10億8200万円
広告収入 2億1300万円
アフィリエイト収入 5300万円
ポイント・その他収入 8000万円

収入合計は14億2800万円となり、費用の13億9900万円を上回り、黒字化。
また、3月には単月での黒字も達成。費用4億7400万円に対し、3月の収入5億5200万円となった。


(一部抜粋)

ニコニコ動画、黒字化 3月には単月黒字に、プレミアム会員収入が1年間で急増(ファインドスター 広告ニュース)


ただ、これは4半期の話で、通期では厳しい見通しを立てているようです。

 ただし、2010年度通期では「ぎりぎり黒字にはいかない」。下半期もプレミアム会員の収入増加を見込んでいるが、「広告収入の先行きが見えず、保守的に計画した」ためだ。通期の売上高は59億5300万円、費用は60億3200万円としており、7200万円の赤字になると予測している。

(一部抜粋)

「ニコニコ動画」事業が初の黒字化、四半期ベースで2900万円の利益 (INTERNET Watch)


決算用資料を見ると、この四半期での費用を13憶9900万円としていることから、売上の増加分以上に投資するつもりであるということなのでしょう。

・参考:2010年9月期 第2四半期決算説明会(dwango)
http://info.dwango.co.jp/sp/resultbriefing/20100513/100513_ir.pdf


■動画共有サイトとしては世界で初めて?
動画共有サイトと言うと、Googleの運営するYouTubeを思い起こしますが、YouTubeもまだ黒字化は達成していないはずです。
少なくとも、2009年第2四半期決算においては、「遠くない将来に黒字化」といわれていて、それから黒字達成の話題は出ていないので、未達成でしょう。

 Googleの2009年第2四半期決算の記者会見において、記者からYouTube黒字化の見通しについて訊ねられたのに対し、Googleのグローバルセールス担当プレジデントNikesh Arora氏は、「YouTubeのこれまでの軌跡には大変満足している。そして、そう遠くない将来に黒字化できると期待している」とコメントした。「YouTubeの財務的側面についてはコメントしない」と牽制した上での回答だった

(一部抜粋)

「YouTubeは遠くない将来に黒字化期待」Googleがコメント(INTERNET Watch)



例えば高画質がウリだった「Veoh」は企業破綻まで追い込まれ、ニコニコ動画のほぼパクリであったサービス「ニフニフ動画」もとっくの昔にサービス終了しています。
このことからも、ただ動画が共有できるとか、動画にコメントできるとかだけで黒字化に持ち込むことができたという話ではないでしょう。

ちょっと昔の自分の投稿を見返してみたら、以下のように言及していました。

ニコニコ動画でもプレミアム会員募集の話が持ち上がった時には、コミュニティからかなりの反発を受けました。このときは、ニコニコ動画の開発者ブログによる丁寧な説明や、ニコニコ動画自体が赤字であることをを受けて、ニコニコ動画という場の存続のためにユーザーがなんとか納得したという形になりますが、舵取りを間違えればニコニコ動画の会員数は激減していたでしょう。


上のように書いた事自体、今では憶えていないのですが、プレミアム会員サービス立ち上げ時にはかなり反発が強かったようです。
ニコニコ動画の収益の大半はプレミアム会員によるものとなっていますが、もし初期の対応を間違っていたら、今の約10億円分の収益がなく、もしかすると広告収入2億円程で頑張っていたのかもしれません。場合によっては、赤字の垂れ流しによってYouTube以外のいくつかの動画共有サイト同様、サービスが終了されていた可能性も考えられます。

赤字に耐えながら、日本を代表する動画共有サイトとして健全な形まで発展させたドワンゴ及びニワンゴの方々には強い敬意の念が絶えません。

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